特捜部Q キジ殺し/ユッシ・エーズラ・オールソン 2008年 評価:3
過去の未解決事件を捜査する特捜部Qのボス、カール・マークの活躍を中心に描くシリーズ2作目。20年前に起こった殺人事件のファイルが特捜部Qのデスクに置かれていた。その内容を調査するうち、かつて金持ちばかりが集まる一流校出の仲間たちで、今やファッション・デザイナー、株取引会社の経営者、船舶会社の経営者となっている者らが容疑者として浮かび上がってくる。
1作目で登場したシリア人のアサドに加え、新たに二重人格できつい性格の女性アシスタント、ローセが仲間に加わっている。バイオレンスに偏重した内容は前作と同じで、デンマークでは、本作で描かれるような精神的にいかれた犯罪者による凶悪犯罪が多いのか?と勘ぐってしまうのだが、毎作、そのような内容の犯罪が中心に置かれているので、なんだか飽きてくるなという感じ。
また、今回は金持ちの異常者に敵対する、かつて彼らの仲間だった女性がかなり高頻度で描かれ、主人公カールの本作における立ち位置は語り部でしかなく、特別な活躍をするほどではないのも、いまいち魅力ある内容となっていない要因でもある。