奇縁無双/山本周五郎 2019年 評価:2


 江戸時代を舞台とし、婚期を迎えた男女の愛情を主軸とした6編を集めた短編集。普段あまり好んでは読まない短編集だが、短編の中にも人情を感じさせる名人の周五郎作品なので読んでみたが、ちょっとこれはいまいち。

 江戸時代の武士が主人公なので、どうしても当時の男尊女卑的な思想がベースにあることと、主人公の男に魅力がなかったり、いかにもその設定は無理があるだろうというものが半数はあるので、それぞれが表面的で質が低いと感じてしまう。