ミレニアム2 火と戯れる女/スティーグ・ラーソン 2006年 評価:4
世界的ベストセラーを記録した「ミレニアム」シリーズの2作目。
1作目の1年後。経済雑誌「ミレニアム」に勤務するミカエルは、未成年の少女の人身売買・売春組織を追う二人のジャーナリストの記事に感銘を受け、雑誌への掲載を目指すが、その二人が何者かに殺される。しかも、その殺人容疑者は、1作目でミカエルとコンビを組んだリスベット。それを信じられぬミカエルは真実を追う。
物語を覆う世界観は1作目と同様。そして予想を裏切りながらも深層をえぐり取っていくような構成も1作目同様際立っていて読み応えのある作品。
本作の主人公は間違いなくリスベットで、リスベットの生い立ちに起因する展開がストーリーの軸になっている。小柄で華奢な天才ハッカー、リスベットが本作ではかなりアクション的な活躍もしていて、それが少々違和感になっている。ミカエルの魅力も本作では1作目と比べると半減していて、相変わらず良い出来だとは思うのだが、1作目と比較すると評価は落ちる。