ヰタ・セクスアリス/森鷗外 1909年 評価:2 主人公の哲学者・金井が、高等学校を卒業する長男への性教育のための資料として、自らの性欲的遍歴をつづる内容。森鴎外の自伝的側面も強いと言われている。 当時発禁処分にもなった作品だが、現代の感覚だと、性的描写自体が全くないといってもいいくらいで、淡々と少し詳しめの日記という感じで、性歴というより、自身の性欲への向き合い方をつづったという内容。特に文体的に秀でているとも感じられない。