キャリー/スティーヴン・キング 1974年 評価:4
狂信的キリスト教信者である母親に育てられた高校生のキャリーは、内気で暗い性格で高校では虐められてばかり。しかしキャリーにはサイコキネシスという特殊能力があった。キャリーへの虐めに気が咎めた同級生のスーは恋人のトミーに、プロム(高校の舞踏会)でキャリーをエスコートしてもらうことにする。
キングの長編デビュー作で、これまで3回映画化されており、特に76年の1作目が有名。長編デビュー作ということで、若干、構成の点で読みづらさを感じるところがあるが、単なるホラーものではなく、思春期の女子高校生の、身体的、精神的な成長に伴う意識の変化も丁寧に織り交ぜているという点がその後のキング作品に通じるような内容。
本筋のストーリー展開の中で、後日の調査委員会の見解や暴露本の記載などを交えているために、話の展開が読めてしまうところはマイナスポイント。また、現代となっては目新しい内容ではないところはあるが、それでも小説としてはどんどん読み進めたくなる魅力は備えている。