夜明け前/島崎藤村 1935年 評価:1


 米国ペリー来航の19世紀中ごろから幕末・明治維新の激動期までの時代を、中山道の宿場町であった信州木曾谷の馬籠宿の本陣・庄屋の当主で、国学へも傾注していた青山半蔵を主人公に描き出した島崎藤村晩年の作。

 一般的に人気のある幕末・明治維新の時代とはいえ、個人的にあまり歴史は得意分野ではないため良くわからず、また、全国各地の大名の旅程のお世話をするという主人公の仕事も現在ではなじみがないということで、あまり物語の環境が十分理解できない。また、文調も淡々とストーリーを記述する感じで登場人物の魅力を感じさせるような構成もないとともに、文章表現に取り立てた特徴もない。

 全く理解不能とかつまらないというものではないのだが、第一部上下、第二部上下の計4冊からなる作品であり、1/4を読んだ段階で、この内容があと3倍も続くのでは読み進められないと判断。途中挫折させられたという基準で「1」となる。