花の鎖/湊かなえ 2011年 評価:3


 3年前に両親を亡くし、祖母と二人暮らしの梨花。働いていた英会話教室が経営破綻した矢先に、祖母がガンで入院してしまう。祖母の手術費に困った梨花は、生前の母に毎年同じ日に花束を送り続け、両親の死後も経済的な援助を申し出てくれた「K」という謎の人物に援助を申し出る。また、小説では伯父が役員を務める建設会社の同僚・和弥と職場結婚した美雪。水彩画の講師として働きながら、和菓子屋でアルバイトをする紗月の計3人の女性の物語が並行して描かれる。

 初めは、ほぼ同じ町で暮らしていた3人の女性の話のつながりが良くわからないまま読み進めることになるが、この作家の作品なのでそのまま終わるはずはないと神経を配って読んでいくと、段々と3人のつながりがわかってくる。それはそれでまずまず面白いのだが、プロットにこだわったためか、それぞれの話にあまり意外性はなく特に魅かれるような内容でもないので、そこそこ面白かったという評価以上にはならない。