愛おしい骨/キャロル・オコンネル 2008年 評価:3


 20年前に15歳だった弟が行方不明になった故郷に、20年ぶりに帰ってきたオーレン・ホッブス。それはそこに住み続ける父親の元に、弟ジョシュアのものと思われる骨が1部位ごとに届けられたため。合衆国軍犯罪捜査部で秀でた実績を残したオーレンは、閉鎖的で、20年前の住民が暮らす故郷で独自の弟にまつわる事件の捜査を進める。

 ストーリーテリングとしての独特の言い回しや、閉鎖的だからこそ他地域とは文化が異なり、それぞれが個性的な生まれ故郷の人々の行動が、この小説の特徴を形成している。登場人物やその地域独特の文化の掘り下げは問題ないのだが、それがあまりに奇怪な感じがするのと、その特徴を描くことに紙面を割きすぎていることもあって、何となく全体的にもやっと終わってしまうストーリーには惹かれない。