転落・追放と王国/カミュ 1956・1957年 評価:2


 「転落」は1956年の中編であり、かつては弁護士として裕福な暮らしをしていたものの今や場末の飲んだくれとなっている一人の男の独白という内容。「追放と王国」は不明確だがアルジェリアや南米、アフリカなどを舞台にした6つの短編からなり、1957年に刊行された。

 1957年にはノーベル文学賞を受賞しているが、小説家としての往年に発表された「異邦人」や「ペスト」と比較すると本作はかなり思想的な内容となっており、難解。特に「追放と王国」は全くなじみのない国が舞台になっている作品が多いため、描かれている内容があまり想像できないので、なかなか話の中に入り込めない。