「容疑者」/ロバート・クレイス 2013年 評価:4
殺人事件現場で相棒を殺されたスコットとアフガニスタンでパートナーを殺された警察犬シェパードのマギーは、仲間を殺されただけでなく自身も大きな怪我を負った。スコットとマギーは配属となった部署で一緒になり、スコットが個人的に自身の過去の事件を調べていく中でその真相を知ることになる。
警察官と警察犬のペアでのシリアスなミステリーという内容が新鮮。また、シェパードの警察犬というのは昔から「刑事犬カール」などでおなじみであることに加え、同種の犬の顔なんてほとんど同じにしか見えないので容易にマギーという犬の佇まいも推定できて感情移入(?)しやすい。
心に傷を負った者同士が徐々に心を開き信頼しあう様、犬の特殊な嗅覚により事件の真相に迫っていくストーリーが丁寧で、性急に事件の真相を追うだけの内容になっていないのがよい。