開錠師/スティーヴ・ハミルトン 2010年 評価:3
8歳の時に目の前で起こった殺人事件により口をきかなくなり、伯父に育てられたマイクは、鍵に興味を持ち、やがて開錠のプロフェッショナルとなる。様々な犯罪において開錠師としての仕事を請け負っていたが、準備を怠った計画によりついに逮捕される。
上記の大筋の流れに、初めて犯罪に手を染めた豪邸に住む娘アメリアとの恋愛を絡ませながら進む。ストーリーは現在までの1年とそれよりさらに1年前の1年間を交互に描かれながら進むのだが、この進め方に全く意味がなく、混乱させるだけ。アメリアだけが生きがいのマイクは積極的に犯罪に手を染めるわけではなく、金のためにやらされているという感じなのだが、それでも逮捕されるまで、結局はうまくいっている様に、なんとなく違和感を感じてしまう。
アメリカではエドガー賞最優秀長編賞、日本でも「2013年このミス!海外編」第1位など話題になった作品なのだが、どうもアメリカのミステリーというのは、スティーヴン・キング作品などの一部を除いて、プロットが甘くて、そんなおかしい展開があるか?という部分がある。それが、アメリカ人の知能指数が下層に多く分布しているからなのか、本当にそのような状況でも犯罪が起こってしまう社会構造によるものなのかはよくわからないが、いまいち私にはしっくりこないのである。