シンプル・プラン/スコット・スミス 1993年 評価:4


 雪深い年の暮れ。飼料店の会計士として妊娠中の妻と平凡な人生を送っているハンクは、外見、頭脳的にいまいちで純朴な兄ジェイコブと彼の友人で粗暴なルーと共に、自然保護区の森林で、墜落した小型飛行機の中から440万ドルの大金を拾う。犯罪に関係する金であることを恐れ、ハンクが持ち帰り半年は誰にも言わずにそっとしておくことを決めるが、元々頭の足りないジェイコブとルーは早く金を手にしたいと願うようになり、ハンクは犯罪に手を染めることになる。

 一旦殺人を犯してしまったあとは引き返すわけにいかず、次から次へトラブルに合いそれを解決していくハンクと妻サラの変貌ぶりを精神面での掘り下げとともに丁寧に描くことで説得性のある人間の愚かさを描き、ひと時も息をつけない展開である。出版当時、スリラーの巨匠スティーヴン・キングが絶賛し、すぐに映画化がされたほどの作品。

 と、面白いことは全く否定しないのだが、ハンクの1度目、2度目の殺人のきっかけが、えぇーそんなことするか??という全く納得がいかない行動なので、どうしても最後までそれが気になってしまって、評価5はつけられない。