放課後/東野圭吾 1985年 評価:3


 女子高の数学教師でアーチェリー部の顧問である前島は夏に入ってから何者かに命を狙われている、と感じていた。そんな中、秋になり、高校の部室にある更衣室で同校の教師の殺人事件が起き、続いて体育祭の最中に第二の殺人が起きる。前島は次は自分ではないかと警戒するが。

 東野圭吾の小説デビュー作。殺人のトリックを暴くことが物語の中心になっており、それ以外の話の展開はかなり雑で、赤川次郎の推理小説っぽい成り立ちで本作では東野圭吾の作品の匂いはしない。殺人の動機にしても、それまでの経緯も、実際のトリックも信憑性に乏しく、さらっと読めて、それだけという内容。