夜と霧/ヴィクトール・フランクル 1977年 評価:3


 第二次世界大戦時にドイツ軍に捉えられ、アウシュビッツ収容所などに3年弱収容されていた精神科医、脳外科医として著名だったフランクルが著した書。初版は1946年だが、本書は大幅に改訂を行った版となる。

 ユダヤ人収容所の実態は映画や書物でも多く知られているが、本書は精神科医としての視点での記載が新鮮であるし、収容されていた人間の精神を殊更憎しみを込めることはなく冷静に分析している。絶望の淵にあった人間が何に希望を見出し生きていたのか、人間の尊厳とは?を問う内容だが、格別に目新しいことはない。