光ってみえるもの、あれは/川上弘美 2003年 評価:3


 高校2年生の江戸翠は彼女も親友もいて、シングルマザーの母とその母の3人暮らし。日々なんとなく「ふつう」に生きているが、夏休みに長崎の小島に旅行に行く。

 まぁ、ストーリーは上述のようにたいして書くことはない。高校2年生のふつうの暮らし、精神状態を淡々と、しかしあまり文学的でなく描く前半は、正直退屈で面白くもない。その後少し展開が動き、話に起伏が出てくるが、あくまで高校2年生の普通の日常でしかなく、確かに私はあまりにストーリーを追うだけの小説は好きではないのだが、ここまで淡々としすぎていては、しかも文学的に素晴らしいという印象も受けないので極平均的な評価。このような小説は他にもたくさんあって、その中では吉本ばななのほうが好きなので、あえてこの作家の作品を読もうとは思わない。