少女地獄/夢野久作 1936年 評価:3


 嘘ばかりつく若い看護婦を主人公にした「何でも無い」。結婚詐欺師へ復讐するつもりがいつの日か策略に嵌ってしまう「殺人リレー」、校長先生の秘密を握ったまま、むごい扱いへの復讐を遂げる「火星の女」の3編からなる「少女地獄」の他2編の短編からなる作品

 「ドグラ・マグラ」の著者らしいドロドロした複雑怪奇な世界が描かれている。この世界観はこの作者独特のもので、漫画界で言えば楳図かずお作品のように、もう存在そのものが奇抜で、常人を近づけない怪しさに溢れている。たまにはこういうのを読むのもいいが、そんなに好きではないかな。