孤独な放火魔/夏樹静子 2013年 評価:2
地元福岡県の裁判所に着任した新米の女性裁判官、珠実の視点から、裁判員制度により集められた6人の一般市民が、犯罪の内容を吟味し、量刑を決めるまでを描いた100ページ強の3編からなる短編集。
焦点は、裁判員がいかに犯罪の内容や被告の境遇などから量刑を決めていくかである。とはいっても、その裁判員6人の素性には全くと言っていいほど触れられないため、話が深く成りようもないし、犯罪の詳細が明らかになるにつれてのミステリーを解くという観点からは、検察側の捜査がそんなにずさんでいいの??というぐらいいい加減であり、入り込めない。そんな、同じような短編が3つ並んでいるだけで、読む価値は感じられない。