サロメ/オスカー・ワイルド 1891年 評価:3


 継父ヘロデ王の求めに応じて舞ったサロメはその代償に預言者ヨカナーンの首を要求した。何度か同じような内容で書かれている古典的で宗教的な題材をワイルドなりの解釈で描いた戯曲。

 キリスト教に詳しくもない私は、正直、描かれた背景は良くわからないため、読中は言ってみればルーヴル美術館で宗教画を見ているのと同じような感覚なのだが、話にはメリハリがあるのと、「サロメ」以上に紙面を割く解説部分を読むにつれ、なんとなく背景やワイルドの思想もわかってきて、なかなか興味深かった。