愛する人達/川端康成 1941年 評価:3


 川端康成が1940年に「婦人公論」に「愛する人達」という題目のもと、連載した9編からなる短編集。夫婦の妻側からの視点でのものが主で、母性が主題となっている。

 川端康成らしい、繊細でなおかつ独特の切り口からの描写で惹き込まれる小品が多いのだが、如何せん主題が一貫しているので、あるふれ幅を出るものではなく、まぁ、良くまとまった短編集といったところ。