夏への扉/ロバート・A・ハインライン 1956年 評価:3


 親友のマイルズと技術会社を設立したダンは、事務職として雇った美女ベルと婚約。発明したロボットの売れ行きは好調で、順調な人生を送っていたが、ベルとマイルズは結託し、ダンを会社から追い出してしまう。人生に絶望したダンは、飼い猫のピートの面倒をよく見てくれていたマイルズの先妻との間の娘リッキーに財産を残し、二人への復讐も誓って30年間の冷凍睡眠に入る。

 私もそれをみて借りたのだが、日本の、好きなSFベストを選ぶ企画で今の時点でも常に上位争いする作品である。しかし、正直SFとしては単に冷凍睡眠とタイムトラベルを組み合わせたもので、プロット以外に特別なものはなく、SF作品として秀でているとは感じられない。それよりも21歳から20年間冷凍睡眠したリッキーとの再会とプラトニックな愛が日本人受けするのだろうと思う(それを否定するわけではない)。