葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午 2003年 評価:3
元私立探偵で、今は塾講師やら警備員やらでその日暮らしの成瀬は、ある日、悪徳商法に騙され殺された疑いのある老人の調査を頼まれる。
「2004年このミステリーがすごい!」第1位。読んでいるそばからプロットやストーリー上のフックを仕掛けているのが見え見えだし、甘い設定も気になり、こりゃぁ、だめだなと思ったが、奇想天外なストーリーと設定で読み進められるのは確か。ほぼ同じようなジャンルの、先に読んだ「流れ星と遊んだころ」と比べると、登場人物が人としてあり得る描写であるため、それよりは不快感なく読めるし、私も見事に騙された。面白く読めるという点では同意するが、好きかと問われたらそうでもなく、やはり私は小説が好きというより、文学が好きという気持ちの方が大きいのだろう。