完璧な犯罪/鮎川哲也 2013年 評価:3
刊行は新しいが、内容は1970年前後に発表された8編からなる短編集である。
すべてが倒叙推理型、つまり犯人側の犯行の動機と手順が示され、犯行のあと、ある偶然や犯人の思い違いなどで犯罪は破綻するというストーリー。物語的には「刑事コロンボ」に似た面白さがあるが、何せ半世紀近く前の作品なので、時代背景に古さを感じてしまうことは否めない。
警察側の追求にはほとんど紙面を割いていないため、物語の矛盾などを感じる間もなく終わり、疑問などは感じることなくさくさく読める。