白夜/ドストエフスキー 1848年 評価:1
ペテルブルクに住む空想家の青年が、ある夜、祖母と二人で暮らす17歳の可憐な少女と出会い、意気投合するが、彼女には心に決めた人がいるという筋書き。
今で言えば、引きこもりで妄想癖のあるオタクが主人公で、彼が詩人めいた言葉を延々と羅列する姿に違和感があるし、受ける少女も変わった人間で、どちらにも感情移入どころか共感も出来ないまま話が進む。後半は展開も速くなり、まぁ読めるものになるが、筋を斜め読みして終わりにした。
ドストエフスキー初期の作品で、「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」に通じるものを内蔵しているという点で重要なものらしいが、私は評論家ではないし、歴史的位置づけが重要かどうかはどうでもよく、作品自体に魅力を感じるか、面白いかが純粋な評価ポイントになる。