きみの友だち/重松清 2005年 評価:4
小学4年生の時に交通事故で左足に重傷を負い、以後杖つきの生活になった恵美を軸に、親友や中学時代の同級生、弟とその親友などとの物語により、本当の意味の「友だち」を考えさせる、10篇の短編からなる作品
かなりデフォルメされた小、中学校生活であるし、親友の由香ちゃんが亡くなる時のくどい演出にはちょっと辟易するところもあるが、少年期の心の動きの細かい描写にははっとさせられるし、感心するところもある。恵美ちゃんも変わった子で、良心の押し付けっぽくない進行も好感が持てて、良い作品とは思うが、もっと若いときに読めばさらに心に響くものを感じられたろうと思う。