泣き言はいわない/山本周五郎 1994年 評価3


 「さぶ」で頻繁に出てくる箴言に感銘を受け、読んでみた山本周五郎の著書から厳選した箴言集だが、正直、まだ1作しか読んでいない段階で読むものではなかった。

 言葉の持つ意味は、それが出てくるまでの話の流れ、背景等によって何倍にも良くなり、また本当の意図もわかるものであり、良い言葉の抜き出しは確かにじんとくるものもあるのだが、記憶にはなかなか残りづらい。

 何作も読んだ後であれば、本著を持つ意味もあるのだろうが、少なくとも今読んでも本当のよさはわからない。