ジキル博士とハイド氏/ロバート・ルイス・スティーヴンソン 1886年 評価3


 医学、法学の博士号を持ち、世の尊敬を集めていたジキル博士であったが、ほとんど人の前に出ない時期もあった。そんなジキル博士の家に、しばしば出入りする残酷な醜男ハイド氏。ジキル博士の友人であるアターソン弁護士は、ジキル博士とハイド氏の間になんらかの悪い関係があるのではと疑問を抱き、調査をしていく。そんな中、ハイドは殺人を犯し、姿を消す。そしてジキル博士はまた人の前に出て昔の生活を取り戻したように思われたのだが・・・

 作品名は二重人格の代名詞になっており、二重人格という小説として露見したのは最初だったと思われるが、二重人格が原因ではあるが、薬を飲むことで外見も全く変わるので、厳密に言えばちょっと二重人格とは異なる。

 小説としては確かに面白いが、ありえることではないのでファンタジー的なものに感じてしまう。当時としては、ジキルの心の闇にある、外の顔と正反対の欲望を満たしたいという凄まじい願望が衝撃的ではあったのだろう。