華麗なるギャッツビー/F・スコット・フィッツジェラルド 1925年 評価2
1922年禁酒時代のアメリカ。ジェイ・ギャツビーはニューヨーク郊外のロング・アイランドにある高級住宅地で、毎晩大勢の客を招いてはパーティを繰り返していた。その目的とは、まだ貧しかった5年前に別れたデイジーとの再会を果たすことだった。
第一次世界大戦後の、いわゆるロスト・ジェネレーション世代の傑作と言われている作品である。しかし、決定的に気に入らないのは主人公ギャツビーとデイジーの生活感のなさである。どうも禁酒時代に酒を扱ってぼろ儲けしたらしいが、一人の女とめぐり合うために毎晩パーティを開くという行為に全く共感できない。また、この主人公たちを取り巻く人たちのセレブ的な振る舞いや言動にも共感ができず、ただ、確かに美しく情景を映し出し、幻影的な描写が退廃的な雰囲気を醸し出している文章が卓越していることから、最後まで読んだというのが正直なところである。