「モーニング・グローリー/オアシス」 95年 評価3


 近年最も成功した英国バンドと評されるオアシスの最高傑作といわれるセカンド・アルバム。私自身、古いのばかり聞いていてはいけないと思い、私が洋楽に嵌っていた1980年台以降にデビューしたアーティストとしては本当に久方ぶりに自分の意思で聴いてみようと思った作品。(といっても15年以上前のリリースだが)

 私は、評点を下すまでに最低10回程度は聴くのだが、聴くほどに良くなってくる作品もあれば、あまり1回目と変わらない作品もある。本作は後者であった。

 一番似ているのは1980年代後半にヒットを飛ばしたオーストラリアのクラウディット・ハウス。ともにビートルズに陶酔し、メロディラインもビートルズに範をとったもの。オアシスも多分、近年においては屈指のメロディメーカーなのだろうが、私の知る範囲という話になると屈指とは思われない。

 私が一番気になってしまうのは、速めのテンポの曲ではすべて、バックのベースになる音がやかましいこと。ある一定の騒音の上に各楽器の音が載っているイメージだ。それが各楽器の表現力に自信がないからなのかどうかわからないが、結局総てが同じような印象の曲に感じてしまう要因になっているのは間違いない。例えば「楽器音が歌う」と評したイーグルスとは全く正反対の音で、音楽は総体という意味で楽器の音も、その一部であるはずなのだが、楽器の表現が感じられないとなれば評価が上がらないのはしょうがない。曲自体に風景が見えず、私の観点からは、とても80年代以前の名作と比類するとの評価は出来ず、再度聴くことはない。