「メイク・イット・ビッグ/ワム!」 84年  評価4.5


 ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーのデュオグループ、ワム!の2作目にあたり、世界中で大ヒットを飛ばした。デュオとはいえ、ジョージ・マイケルの類まれな作曲能力、ボーカリストとしての力量で持っていたアイドルグループであり、実質2作のみで解散している。また、これほどのポップ路線はジョージ自身としても不本意であったわけで、ソロになってからは芸術性を重んじるようになった。

 本作は当時のポップスアルバムとしては最高峰に位置する作品であり、今聴くとあまりにポップすぎて、深みがないのだが、当時を思い出しながら・・・という意味では懐かしさも感じる。それでもジョージの作曲能力は十分感じられるし、ボーカリストとしての力量が図抜けていることも伺える。

 デビュー2作目、若干21歳でのこの作曲能力は天才と評されるべきであったが、その後はレコード会社とのトラブルなどで製作が思うように出来ず、また自身のゲイであることに関連したスキャンダルで音楽生命を棒に振ってしまったことは残念でならない。