「アストラル・ウィークス/ヴァン・モリソン」 1968年 評価3
イギリス出身で、非常に多作で評論家受けするアーティスト。1967年のデビューから2018年の現在までほぼ年1作を発表しているという驚異的な活力を持つ。ただ、その曲調からシングルヒットが少なく、日本ではほとんど話題にならない。私も洋楽を聴き始めて30年以上経つが、ヴァン・モリソンという名は知っていても、シングルヒットがないものだから、どんな曲を書くのか聴いたことがなかった。
本作はそんなヴァン・モリソンの2枚目のアルバムとなる。基本はカントリー・ロックっぽいのだが、フォークっぽくもあるし、演奏の即行性はジャズっぽくもあるし、楽器は管弦、吹奏楽器も自在に使っていて、どの分野に分類すればよいのかわからない。長年洋楽を聴いてきてこれはなかなかの衝撃だ。ヴァン・モリソンの癖のあるボーカルも味があって、聴き込めば聴き込むほど良いとは思うのだが、私の嗜好の真ん中には来ないので、正直に言うとあまり繰り返して聞こうとは思わない。
しかし、このあとの3作目「ムーン・ダンス」は商業的にも成功し、彼の作品の中では極めてわかりやすいという評判なので、楽しみに聴いてみることにしよう。