「バイタル・サインズ/サバイバー」84年 評価4
映画「ロッキー3」の主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」(82年)で一気にブレイクしたサバイバーの5作目。「アイ・オブ〜」の後の4作目が全くヒットしなかったため、一発屋で終わるかと思われたが、見事に立ち直った。ちなみに「アイ・オブ〜」の時のボーカルは今作では替わっている。
ビルボードのアルバムチャートで1年以上上位をにぎわしていた長寿アルバムで、なるほどラジオ受けしそうな,メロディアスなアメリカンハードロックが展開されている。全てがメンバーの作曲によるものであり、本当によくぞ第一線に返り咲いたと思う。地味な外見(多分メンバーの顔を思い出せる人は少ないだろう)から、ライヴで地道に力をつけファンを獲得していった苦悩がしのばれる。
どの曲もシングルにできるほどメロディラインがしっかりしているし,ライヴで鍛えた堅調なサウンドも安定感がある。全編そうなので、逆に物足りないというところも無きにしも非ずだが,それでも「キャント・ホールド・バック」「ハイ・オン・ユー」といったシングルヒット曲はやはりいい曲だし、アルバム全体としてのレベルも高い。