「バガボンド・ハート/ロッド・スチュワート」 91年 評価3


 80年代後半からアルバム媒体の主流がレコードからCDに移っていった。その結果1枚あたりの収録可能時間は50分程度から70分超と増え、アーティスト、レコード会社は収録曲数を増やしたり、ボーナストラックで隙間を埋めるようになった。

 元々、2枚組LPの傑作なんて5年に1作ぐらいしか出ないのに、収録曲を増やした結果、そこそこのアルバムも駄作になる危険性が増した(ボーナストラックもCDを通して聴く際には全くの邪魔物でトータルとしてのまとまりを著しく欠く結果となる)。本作はまさにそれが主要因で駄作になったと考えられる。

 全13曲だが、とにかく同じような曲が多い。半数ぐらいが同じようなテンポで前々作『ロッド・スチュワート』と同じようなサウンド。目新しいものはない。いくらロッドのボーカルが魅力的だとしても同じような曲を60分聴かせ続けられてはうんざりだ。消去決定。ただし、厳選して10曲に絞っていれば残留組に残ったかも・・・といえる出来ではある。