「ロッド・スチュワート/ロッド・スチュワート」 86年 評価3.5


 80年代前半のロッドのアルバムはディスコティックで本来の彼のボーカルの味を殺しており、また元来自身で作曲する人ではないためアルバムとして聴く価値はなかった。そんなロッドが原点回帰を目指し、自身の名前をつけて再出発を図ったのが本アルバムである。

 その目論見はミディアム、スローテンポの曲をそろえたB面で特に成功しており、彼の持ち味を生かした渋い曲が並び高評価である。ただ、ハイテンポを揃えたA面、特に3曲目以降はいまいちの出来であり、総合的にはやっと消去されないというレベル。

 実は一回目を聴き終えた時、これは消去だなと思った。が、聴き重ねていくうちに残留組に加わった。これはやはりロッドのボーカルに味があるからに他ならないだろう。