「アトランティック・クロッシング/ロッド・スチュワート」 75年 評価4.5
フェイセズのメンバーだった(本作時にはまだ在籍)ロッド・スチュワートのソロ6作目で本格的なアメリカ・デビューとなったアルバム。
不世出のボーカリストという人もいるが、私はロッドのかすれ声はあまり好きではない。また、本作でも半数の5曲がカバー曲であり、あくまでボーカリストという在りようが、あまりのめり込ませない原因でもあるのだが、本作品は傑作である。
どうも本作はそれまでのプロディーサーとバックバンドを変え、バックバンドには南部ロックの名人をそろえたらしい。その結果、A面はまさに隙のない硬質な土臭いロックとなっており、押さえ気味のロッドのボーカルが実にマッチしている。そしてB面はバラードを並べ、ロッドの新たな一面を引き出すことに成功している。