「禁じられた夜/REOスピードワゴン」 80年 評価5
1981年のビルボード年間アルバムチャート第1位を獲得した大ヒットアルバム。バンドはこのアルバム発表までに苦節12年。11作目にして最初で最大のヒットアルバムとなった。前作まではシングルヒットもほとんどなく、まさに突然売れたことになるが、それまで地道なライヴ活動を展開(確かアメリカでの観客動員数か,ライヴ回数か忘れたがNo.1だったはず)した成果だったのか。このような経緯はサバイバーと似ているが、大きな違いはボーカルで、ケビンの声は甘味があって円やか。なのでスローテンポの曲で差が出る。
そのような背景はともかく、出来は素晴らしい。特にA面はライヴでのオープニングの定番曲「ドント・レット・ヒム・ゴー」から始まり、名曲「キープ・オン・ラヴィング・ユー」、その他の曲も素晴らしく完璧な流れ。B面は若干起伏に乏しくなるが,ハードでタイトな音でありながらケビンのボーカルととっつきやすいメロディーの調和が絶妙で、典型的なアメリカン・ロックの最高峰に位置する、総合的に非常にレベルの高いアルバムである。
私にとって初めてのライヴがバリー・マニロウ。2回目がこのREOスピードワゴンであり、特にデパートのチケットピアで明け方から並び(こんなことをすること自体時代を感じさせる)チケットをゲットしたことが懐かしく思い出される。朝早くから並んだこともあり、前から6列目という絶好の場所で、本場のロックンロールに胸躍らせたものだ。