「オペラ座の夜/クイーン」 75年 評価 3.5


 クイーンの4作目で、その完成度の高さからクイーンの最高傑作という評価も多い名盤。管弦楽器や吹奏楽器もギターや声で表現したり、音の面に関してはブライアン・メイの凝り方がハンパではない。また、様々な音楽の種類のごった煮という感じで、コーラスの多用によりオペラ座の夜というコンセプトを構成している。

 間違いなく完成度は高いのだが、その一方で、ロックでもない曲が多数入ることでロック/ハード・ロックの流れが寸断されるところはあり、また、メロディ的には前作「シアー・ハート・アタック」のほうがいいものが多いため、私としては前作のほうが好んで聴くだろうと思われる。

 しかし「ボヘミアン・ラプソディ」という曲は全く度肝を抜くもので、これを1975年当時に初めて聴いたら美しいメロディから始まっての目くるめく展開と奇抜さ、怒涛の迫力に、圧倒されただろうなと思われる名曲。この曲を筆頭に、各メンバーが当時やりたいことをとことん追求した名盤とはいえると思う。