「ノー・ジャケット・リクワイアド/フィル・コリンズ」 85年 評価3.5


 この作品の前に母体であるジェネシスの『ジェネシス』で一般的な音楽ファンを獲得し、ソロとして「見つめて欲しい」でNo.1、フィリップ・ベイリーとのデュエット「イージー・ラバー」も大ヒットし、フィル自身がまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった年に発売され、4枚のシングルも大ヒット(「ススーディオ」「ワン・モア・ナイト」がNo.1)した、ソロ3枚目。

 しかし、今聴きなおすと、ほとんどの曲で同じフレーズを繰り返すことが多く、また同じテンポの曲はホーンセッションと分厚いドラム音を主体として変化が乏しく、そのような勢いに任せてそこまで売れたと感じざるを得ない内容。レベルが低いというわけではないが、この音がよほど好きでないと今また繰り返し聴こうとは思わないだろう。