「グレイテスト・ヒッツ2/オリビア・ニュートン・ジョン」 82年 評価3.5


 75年の5作目となる「そよ風の誘惑」で一躍世界の檜舞台に踊り出たオーストラリア出身のオリビア。しかし、その後数年はたいしたヒットもなったのだが、78年のジョン・トラボルタと競演したミュージカル「グリース」以降、ディスコブーム、エアロビブームに乗って復活。その時期のヒット曲を集めたアルバム。それまではカントリーっぽい普通のポップスで売っていたのだが、このアルバムの対象となっている時期はダンス&ポップス色が強い。

 多分オリビア自身の曲はほとんどないものと思われる。だからこそ大幅なイメージチェンジが可能だったのだろう。しかし、彼女の声質が極端に細いせいもあるのだろうが、かなりのヒット曲を集めたアルバムなのに、さびの部分以外は驚くほど記憶に残らない。ベストアルバムとしてはぎりぎりのラインで保持されているアルバムである。

 以前、私は大ヒットした「そよ風の誘惑」と前作の「とこしえの愛」は持っていたが、シングルヒット曲以外に取り上げるものはなく、かなり前に消してしまった。80年代中旬以降は再度ヒット曲はなくなり、70年代からのヒット曲の多さはかなりのものであるにもかかわらずほとんど話題にも上らないのは、結局、75年に売れ始めて以降、1年に1作を上回るペースでアルバムが製作されているとおり、レコード会社の上手な戦略により、ここまで売れたシンガーだったのだと思う。