「マイク&ザ・メカニックス/マイク&ザ・メカニックス」 85年 評価4


 母体グループであるジェネシスのドラマー&ボーカルであるフィル・コリンズが「ノー・ジャケット・リクワイアド」をリリースし、そのあと母体のジェネシスで「インビジブル・タッチ」を発表し、ジェネシス軍団がまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった時期に、ギタリストであるマイク・ラザフォードのプロジェクト、マイク&ザ・メカニクスが発表したファースト・アルバムが、クループ名と同名のこのアルバム。

 結局フィルの人気の陰りとともにジェネシスも落ちていった通り、大方ワンマン・バンドであったのだが、本作を聴く限り、マイクもなかなかの才能をもっていたことが窺い知れる。プログレ・ロックっぽい「サイレント・ランニング」、ポップな「オール・アイ・ニード・イズ・ア・ミラクル」、ミドルテンポのバラード「テイクン・イン」という様々なタイプのシングルヒットはどれも上質な出来だし、アルバム全体としてもジェネシスの音作りに通じるプログレっぽい硬派な雰囲気が良い。