「DANGEROUS/マイケル・ジャクソン」 91年  評価5


 前作から4年。実質的な4枚目となる本作では、大ヒットした過去3作のプロデューサーであったクインシー・ジョーンズを変え、自身が共同プロデューサーとして名前を連ねることになる。

 2000万枚以上をそれぞれ売り上げている過去3作のプロデューサーを変えるという英断を行い、マイケル自身の意見が大きく反映されることになった楽曲群は、本作で初めてといっても良かろう、どのジャンルにも属さないマイケルだけのミュージックが出来上がった。当時流行りだしたファンクを大いに取り入れ、しかも最先端とし、その上で自分流の音楽にしてしまうという、とてつもない離れ業をやってのけており、本当の意味でのKING of POPとなったのは本作からである。

 ダンスの面から見ても、「ブラック・オア・ホワイト」「リメンバーザ・タイム」「イン・ザ・クローゼット」のビデオクリップでマイケル独特の素晴らしい動きを見せており、惚れ惚れするようなものとなっている。

 14曲という曲数であるため、後半に数曲同じようなテンポで凡庸な曲があるが、どの曲も徹底的に細部の音まで凝り素晴らしい完成度であることに加え、きちんとメロディがあり(ここがマイケルの凄いところ。決してメロディ面で妥協しない)、クオリティが高く、マイケルの最高傑作といってよいだろう。マイケルは王道を歩み続ける。