「スリラー/マイケル・ジャクソン」 82年 評価4.5
いわずと知れた世界で最も売れている(1億枚以上)アルバムである本作は、マイケルがモータウンからエピック・ソニーに移ってから2作目のアルバムで、それ以前の少年時代にもマイケルのソロアルバムは発売されているが実質的には2作目と考えて良かろう。
確かに前作『オフ・ザ・ウォール』でもスター性を発散させていたが、本作では曲の良さにビジュアル面での革新性を加え、時期的にビデオクリップが台頭してきた時流に乗り、この爆発的なセールスにつながったと考えられる。それほど、特に「今夜はビート・イット」「スリラー」のビデオは当時度肝を抜く出来であったわけで、誰もがマイケルのダンスにあこがれたものだ。
今、冷静に聴いてみると、ヒット曲には流行り的要素があり、それ以外は決して抜けた曲が多いわけではない。曲のよさだけで爆発的に売れるというものでもないし、とにかく総ての流れがマイケルに向いた結果のモンスターアルバムであったのだろう。