「ライク・ア・ヴァージン/マドンナ」 84年 評価 4


 マドンナの2作目で、本作からは「ライク・ア・ヴァージン」「マテリアル・ガール」「ドレス・ユー・アップ」「エンジェル」といったベスト5ヒットが出て、ここから大ブレイクした。

 数年前に人気を博したブロンディのデボラ・ハリーと当時よく比較されたマドンナだが、存在自体でセックスアピールを発散していたデボラにくらべ、もともと骨太なマドンナは当時ようやくマーケット拡大の最良手段として定着し始めたミュージックビデオにより、動く肢体によるアピールで成功した。

 メロディ的にはかなり完成度は高い。しかしいかんせん当時の流行の音まんまであるため、どうにも古臭く感じてしまう。マドンナは時代の音に敏感でその時々の音でアルバムを作るので、歴史に残るアーティストではあっても、歴史に残るアルバムを作ってはいないというのが正直なところだろう。私が持っているアルバムはベストと本作のみである。

 実は私は前作(消去済み)に収められていた「ボーダーライン」「ラッキースター」で彼女が好きになった。まだ日本では話題にもなっていなかった頃でホイットニーとともに日本でいち早く彼女たちのブレイクを予言した(そんなたいそうなものではないが)とうれしかったものだ。