「オール・ナイト・ロング/ライオネル・リッチー」 84年 評価5


 ライオネル・リッチーのソロ2作目。8曲収録の本作からは5曲のトップ10シングルが生まれ、まさにスーパーアルバムであった。

 8曲の収録曲数ということもあるが、全編にわたって隙のない仕上がり。アップテンポの曲でもう少しはじけてほしいという嫌いがあるが、まぁ、マイケルとはタイプが違うので、ないものねだりというところか。あまり曲調に変化はないがそれぞれの完成度が高いので全く気にならない。シングルヒットが多くても散漫な感じがしないのは、逆にその曲調の変化のなさが良いほうに働いているのかも。とにかく80年代を代表する名作であることは間違いない。

 さて、このあとの85年にはマイケルとともに「ウィー・アー・ザ・ワールド」を作曲、サントラに提供した「セイ・ユー・セイ・ミー」も大ヒットと、どうにもとめられない勢いであったライオネルであったが、フィル・コリンズと同様あまりに露出しすぎたのか、次作以降急激に輝きを失っていく。