「レイズド・オン・レイディオ/ジャーニー」 86年 評価4.5
メロディアス・ハードロックの代表格となっていたジャーニーが約3年ぶりに発表した9作目のアルバム。ジャーニーがメジャーになったのはボーカルがスティーヴ・ペリーになってからだが、今作はプロデュースがスティーヴ自身になったこともあり、良くも悪くもスティーヴ色が濃く出ている(そのためかジャーニーとしてのメンバーは3人に減っている)。つまりはかなり"ハード"な部分がなくなった。
このアルバムの主旨は題名からわかるように、昔ラジオから流れてきたような「わかりやすいロック」であり、その意味からはよく出来たアルバムである。サバイバー「バイタル・サインズ」も同様の主旨であったが、ボーカリストの力量が決定的に違う。スティーヴのボーカルは声量、声質どれをとっても超一流であり、高音はどこまでも伸びやかで、低音はえらの張ったその顔が物語るがごとく深みがある。その声を聞いているだけで気持ちが良い。正直、「アイル・ビー・オールライト」を除くミドル、スローテンポの曲はどれも取るに足らないものなのだが、彼のボーカルだけで何とかマイナス評価が避けられる。
私は馬鹿売れした80年代初頭の彼らの作品を知らない。多分本作は昔からのファンからは軽い失望を受けたと思うが、私的には非常に気持ちの良いアルバムで、好きな曲も非常に多い。特にA面の1〜4曲の流れは聴いてて爽快!!