「Voices in the rain/ジョー・サンプル」 80年 評価3
ジャズ・フュージョンのピアニストで、フュージョン界のビッグ・バンド、クルセイダースのメンバーであったジョー・サンプルのソロ・アルバム。
ジャズはかつて学生時代に、名盤といわれていた十数枚を集中して聞いたことがあったが、どうしても自分の好みに合わないと感じていたし、フュージョンというのも巷で耳にすることはあっても、こちらも興味を惹かれることはなかった。
もともと、メロディーと歌詞の一体性に音楽の嗜好の重きを置く私は、映画のサウンドトラック以外はインストゥルメンタル(またはそれが多い)アルバムというものを好んで聴くことはない。今持っているものでサントラ盤を除くとマイク・オールドフィールドの名作「チューブラーベルズ」だけである。7曲中5曲がインストゥルメンタルである今作は、とても聞き心地がいいし、日常の中でバックグラウンドとして聞く分にはとてもいいアルバムとは思うが、ボーカル曲2曲が双方とも呻き声のようなボーカルが入っていて、アルバム全体のさわやかさとも矛盾していることもあり、アルバム全体として聞くことはないと感じてしまう。