「FORE!/ヒューイ・ルイス&ザニュース」 86年 評価3.5


 前作「スポーツ」が長期間に渡って売れつづけ、その勢いにのって作られた彼らの4作目。「スポーツ」がどちらかというと地味で玄人受けする硬質なロックだったのに対し、本作は一転して売れ筋のアメリカン・ロックとなっている。

 フロントマンのヒューイ・ルイスは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出演するなどまさに前作製作時とは環境が一変。日本版にのみ収められている「パワー・オブ・ラヴ」が前記映画のサントラとしても使われている。このような一変ぶりは一般的なファン層を引き寄せはしたが、決して昔からのファンの多くに受け入れられた訳ではないだろう。それほど本作では、まさにアメリカ人という外見のヒューイ同様、脳天気で単純なロックとなっている。以前に「スポーツ」は消してしまったが、今聴くと多分そちらのほうが良いと思うだろうというのが正直なところで、実際この後のアルバムは泣かず飛ばず。そこそこ売れた3作目「ベイエリアの風」からの3作で終わってしまった。