「ビッグ・バン・ブーム/ホール&オーツ」 84年 評価4
前作のベストが大ヒットし、そこに収められていた新曲「セイ・イット・イズント・ソー」と「アダルト・エデュケイション」の流れを汲み、時代に合った厚い音で作り上げた彼らの13作目のスタジオアルバム。その音作りが逆に今までの彼らのシンプルな(私的には安っぽい)音が好きだったファンからは否の評価も多いようだ。
しかし私的にはよい方向に向かっていたし、曲自体も練られていて、今までの無理矢理っぽいメロディ作りもあまり感じられない(ないわけではない)ので、彼らのスタジオアルバムの中では最も高い評価になる。
ところが、彼らにとってやはり本作の音作りは本来の道ではなかったようで、次作からはまた原点回帰のようなものを制作しだした。しかし、元来作曲能力には限界を見せていたように、それで時代に乗れるわけでもなく、そのまま消えていった。彼らは確かに良い歌は残したが、結局良いアルバムは残せなかったアーティストという評価に収まるのではないか。