「ジェネシス・ベスト・アルバム/ジェネシス」 99年  評価4.5


 74年から97年までのジェネシスのシングルヒット曲を集めたベストアルバム。元々プログレッシヴ・ロック畑の彼らは、初期の頃にはほとんどシングルヒットというものはなく、必然的にフィル・コリンズがフロントマンを務めだした78年から脱退するまでの92年までのヒット曲が18曲中15曲を占める。

 特に78年から86年までのヒット曲(11曲)は、既評の『ジェネシス』『インヴィジブル・タッチ』で書いたとおり、フィル・コリンズのポップ・ロックとしてのセンス、メロディメーカーとしての才能と、トム・バンクス、マイク・ラザフォードのもうひとつのメロディメーカーとしての才能、プログレっぽい曲作りが上手くマッチングして、私にとってのストライクゾーンど真ん中の音である。全18曲80分で、若干無理にいれなくてもいい曲もあるが、今聴いてみてもどれも凝った作りで実験的でもあり、完成度が高い良曲ばかりだ。