「噂/フリートウッド・マック」 77年 評価4
一気に彼らがロック・ポップス界のトップに立つことになった前作「ファンタスティック・マック」の発表から2年後に発売された本作は全世界で2000万枚とも言われるヒットを記録し、これはマイケルの「スリラー」に抜かれるまでの最高記録だった。
前作でいきなりの大ヒットを記録したとはいえ、持ち味のミック・フリードウッドのドラムとジョン・マクヴィーのベースが紡ぐリズムは健在で、基本的なサウンドの作りは何ら変わっていない。さらに磨きがかかって芸術性が高くなったというべきか。
しかし、A面は個々の曲は完璧な出来だがトータル性は薄く、B面は芸術的過ぎるというか暗いというかあまり好きではない。後で知ったのだがこの製作時、クリスティンとジョンのマクヴィー夫妻は離婚、リンジーとスティーヴィーのカップルも解消という時期だったらしく、アルバムとしてのまとまりは前作のほうが上。「オウン・ウェイ」「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」という70年代ロック屈指の名曲が収められているものの、個人的には前作のほうが好きだ。