「アット・ウォー・ウィズ・ザ・ミスティックス/フレーミング・リップス」 06年  評価4


 フレーミング・リップスの11作目のスタジオアルバム。冒頭から、ジェフ・リンを彷彿させる(もともと声質が似ていることもあるが)ポップな曲から、プリンスのようなファルセットボイスのファンキーな曲、ビーチ・ボーイズを思わせるコーラスを多用した懐かしさを感じる曲など、かなりポップで洗練されたと感じで始まり、それがほぼ全編にわたって展開される。

 若干、音の緻密さに物足りないものは感じるが、それはこのバンドの持ち味でもあるのだろう。12曲の邦題がどれも奇抜で、音の一貫性でもこれがコンセプトアルバムだとわかるし、歌詞がわかればもしかしたらもうひとランク評価は上がるかもしれない。それぐらい曲の構成に物語性も感じる、なかなか良いアルバム。